【詩の授業について】
中学校に呼ばれて、詩の話をしてきました。
話のはじめに「自分を詩人だと思っている人は手を上げてください」と聞いたら、一人の手も上がりませんでした。
そこで、三好達治さんが書いた「詩を読む人のために」(岩波文庫)の中から、「詩を読み詩を愛する者はすでにして詩人である」という一節を借用して、「詩を一つでも読んだ人は、もう詩人で、詩を好きな人はもっと詩人で、自分で詩を書いた人はもっともっと詩人です」と話したところ、子どもたちから「詩人と言われてうれしかった」という感想がたくさん届きました。
ぼくが駆け出しの編集者だったとき、三好さんに「君はすでに詩人だよ」と紙背から言われて励まされた記憶を、そのまま子どもたちにも語ってみました。
(この文章は、編集長の田中た2012年にブログに書いた文章を元にしています)