2026.05.02

「読み憲」のすすめ

童話屋版『日本国憲法』『あたらしい憲法のはなし』

童話屋の『日本国憲法』『あたらしい憲法のはなし』は総選挙のあった2月ごろからお求めいただく方が増え始めました。4月末には残念ながら品切れになってしまいましたが、現在急いで重版しています。こんどの重版でどちらも22刷、『日本国憲法』は累計26万8千部、『あたらしい憲法のはなし』は累計24万4千部となります。

この2冊は2001年に刊行して以来、改憲をめぐる議論が高まるたびに注目されてきました。今回も多くの書店さんがポップ付きで目立つ位置に置いてくださっています。これだけ何度も話題になるのは、日本国憲法が国民にとって重要な存在である証でしょう。

童話屋のスタンスは「改憲」でも「護憲」でもなく「読み憲」である――とは、童話屋の創業者で編集長、田中和雄の言葉です。少年時代に終戦を迎えた田中は、大学生や社会人になってから安保闘争に参加しましたが、当時は日本国憲法を読んでいなかったといいます。60歳を超えたころ、たまたま読む機会があり、日本国憲法の崇高な精神に心をうたれたそうです。それまで読んでいなかったことを恥じ、「まずは憲法を読もう。そのうえで自分の意見を述べよう」と考え、気軽に読める文庫サイズで刊行しました。

日本国憲法を改めて読んで気がつくのは、繰り返し、繰り返し、「国民が主人公であり、この憲法は国民のためのものだ」という内容が語られていることです。前文は4段落からなっていますが、そのうち3つの段落は「日本国民は」という主語から文章が続きますし、もう1段落も「われらは」から始まります。国の背骨を成す憲法のゆくえは、誰かに任せるのではなく、私やあなたが主体的に担っていくべきものだという思いを新たにしました。

童話屋版『日本国憲法』を発行した25年前、田中はまえがきで「自由も平等もなく、いのちは虫けらのように扱われていた」時代にくらべて「今の時代の明るさはどうだ」と書いています。2026年の今の時代を私たちは「明るい」と胸を張って言えるでしょうか。

“まずは日本国憲法を読みましょう”

童話屋は「読み憲」をおすすめします。

2026年5月2日 童話屋スタッフK