かへろが鳴くからかぁへろ

かへろが鳴くからかぁへろ

北原白秋 詩

「子供に還らなければ、
 何一つこの忝い(かたじけない)大自然のいのちの流れをほんとうにわかる筈はありません」

「私の童謡は幼年時代の私自身の体験から得たものが多い。
 此の生まれた風土山川を慕ふ心は、進んで寂光常楽の彼岸を慕う信と行とに自分を高め、
 生みの母を恋ふる涙はまた、遂に神への憧憬となる」
                       (北原白秋のことばより)

白秋の童謡と呼ばれている詩は千編以上もありますが、作曲され歌になった詩を除けば、ほとんど人目に触れたことがありません。
白秋の童謡は現代詩に限りなく近い、深いメッセージに満ちています。
山田耕作らの作曲により有名になった詩が多いので、つい歌ってしまって詩のメッセージを味わう人が少ないのはきわめて残念なことです。
この詞華集と第一巻「この道はいつか来た道」のなかへ、白秋童謡の名詩は細大もらさず収録しました。

第二巻には、以下の詩を収録しました:
 かへろかへろ/五十音/兎の電報/あわて床屋/雨ふり/からたちの花 ...他、51篇

  • A6・160頁
  • 定価(本体 1,250円+税)
  • ISBN978-4-88747-095-8