桃の花が咲いていた
山之口貘 詩
この詩集は、山之口貘さんの自己紹介で始まります。「僕ですか? これはまことに自惚れるようですが びんぼうなのであります。」生涯貧乏神を振りはらうことができずに、しかし心はいつも王さまのようにゆうゆうと生きぬいた貘さん。 佐藤春夫さんや、茨木のり子さんらが べた褒めする詩人のアンソロジー。
編者は氏のアンソロジーを編集することで、彼のナゾに迫りたいと思い至りました。金子光晴曰く、貘さんは「自然人」。
その詩を自叙伝風に並べたら、貘さんの実直・誠実・正直な人となりがにじみ出て、味わい深い詩集になりました。
目次
貘さんのはなし 自己紹介/十二月 …ほか
結婚のはなし 求婚の広告/友引の日 …ほか
貧乏のはなし 野次馬/年越の詩/借金を背負って …ほか
女房のはなし 元旦の風景/ある家庭 …ほか
ミミコのはなし 桃の花/ぼすとんばっく/ミミコの独立 …ほか
晩年のはなし ねずみ/世はさまざま/喪のある景色 …ほか
告別式
序文 佐藤春夫 序文 金子光晴
- A6・160頁
- 定価(本体 1,500円+税)
- ISBN978-4-88747-076-7