桃の花が咲いていた

山之口貘 詩

山之口貘さんは、佐藤春夫、金子光晴、茨木のり子諸氏から手放しの褒めことばを受けています。編者は氏のアンソロジーを編集することで、彼のナゾに迫りたいと思い至りました。

この詩集のはじまりは「自己紹介」です。

ここに寄り集つた諸氏よ
先ほどから諸氏の位置に就て考へてゐるうちに
考へてゐる僕の姿に僕は気がついたのであります

僕ですか?
これはまことに自惚れるやうですが
びんぼうなのであります。

貧乏詩人といわれた詩人の面目躍如たる自己紹介で、おしまいの詩は「告別式」。
貘さんの詩を自叙伝風に並べたら、貘さんの実直・誠実・正直な人となりがにじみ出て、まるで落語を聞くみたいにおかしくて味わい深い詩集になりました。

  • A6・160頁
  • 定価(本体 1,500円+税)(2021.2.3より新価格)
  • ISBN978-4-88747-076-7