もんぐら、もんぐら いい季節になつたもんだな
山村暮鳥 詩
山村暮鳥の詩には、すさんだ人の心を和らげる力があります。みんなをやさしい気持ちにして、一つに和してしまうのです。
『とほりあめ』という詩があります。みごとに咲いている牡丹の花を見ているうちに、暮鳥は本気で雨にかかるな、かかるな、と呼びかけるのです。暮鳥の詩の"たね"はやさしい心です。もぐらや牡丹の花にも、人間の心とおなじ悲しみや喜びがあると彼は信じていたのでしょう。
死ぬまで暮鳥は子どもの心のままで、たくさんの詩をうたいつづけました。
目次
序詩/李の花/蟻/月夜の牡丹/仙人掌をみて/むぎかり/朝顔/とんぼ
とうもろこし畑にて/落日の頃/昼/名刺/読後/巻末の詩/編者あとがき
- A6・160頁
- 定価(本体 1,250円+税)
- ISBN978-4-88747-096-5