蚤の市
安野光雅 作
文字のない絵本ですが、絵の細部を追っていくだけで
自然と物語が生まれてきます。
安野絵本の真骨頂、品格ある傑作です。
はじめのページには、荷車を引く老夫婦。
城門には時計があって、朝の5時。蚤の市の始まりです。
ローソク売りや古い大工道具売り、
旧式カメラやタイプライターを売る屋台が並びます。
野菜や果物の店も軒を連ねています。
ページをめくっていくと、蒸気機関車が丸ごと一台、
古い帽子や十字架も並んでいます。
古い道路標識、古楽器や農具がずらり。
中には、入れ歯なんかを並べる店もあります(探してみてください)
古本屋、古時計屋、古家具屋...もう目がまわりそう。
朝やってきた老夫婦は夕刻に、代わりに買い入れたものを積んで帰っていくのです。
「私はこの本が、何十年もたって、もう一度見てもらえる日をまっています。
もしかしたらこの本が蚤の市に出るかもしれませんからね。」
- 26×21.5cm・44頁
- 定価(本体 1,650円+税)(2020.4.3より新価格)
- ISBN978-4-924684-15-7