ポケット詩集
田中和雄 編
この詩集を、ほんとうの子どもたちと、子どもの心を持った大人たちに捧げます。
本書の冒頭を飾るのは宮沢賢治の「雨ニモマケズ」、しめくくりは茨木のり子さんの「自分の感受性くらい」です。編集の組み立ては、最初の段階で心に決めていました。 これには編者のある思いがあります。 編者が少年時代に唯一暗誦できた詩は、「雨ニモマケズ」でした。 この詩を哲学者の故・谷川徹三氏(谷川俊太郎さんの父)が「精神の高さにおいてこれに比べうる詩を私は知らない」と述べていることに感銘を受け、触発されたことが「ポケット詩集」編集の動機です。 精神の高さということなら、「雨ニモマケズ」一篇に限りません。編者の見解では、茨木のり子さんの「自分の感受性くらい」、石垣りんさんの「表札」、谷川俊太郎さんの「みみをすます」も、まったく同レベルです。 近現代の、精神の高い詩を選ぶこと3年、発刊は1998年11月。絵本「葉っぱのフレディ」と時を同じくして世に出ることとなりました。
「子どもたち、詩を読みなさい。とびきり上等のいい詩を読みなさい。いい詩というのは、詩人が自分の思いをどこまでも深く掘りさげて普遍(ほんとうのこと)にまで届いた詩のことです。詩人の仕事は、生きる歓びをうたうことです。いい詩はみな、生きる歓びにあふれています。」(本書まえがきより)
目次
【収録詩の詩人一覧(全33篇)】 宮沢賢治、茨木のり子、まど・みちお
辻 征夫、大岡 信、吉野 弘 、三木 卓、草野心平、阪田寛夫、工藤直子
石垣りん、長田 弘、 岸田衿子、濱口國雄、山之口貘、井上ひさし、高橋睦郎
会田綱雄、新川和江、河井酔茗、真壁 仁、栗原貞子、与謝野晶子、谷川俊太郎
川崎 洋、高村光太郎、金子光晴
- A6・160頁
- 定価 1,650円 (本体1,500円 + 税)
- ISBN978-4-88747-003-3