わたしを束ねないで
新川和江 詩
女に生まれ、恋をし、妻となり母となる、その折おりに、女である自分をふくめ、生きとし生けるものを讃えつづけ"女の一生"を綴った詩人・新川和江さん、究極のアンソロジーです。
代表作は「わたしを束ねないで」ですが、スゴイ詩といったら「赤ちゃんに寄す」でしょう。地球上のすべての男たちは、この詩の前で、ただただひれ伏すしかありません。
(前略)
<わたしが生んだ!>
どんな詩人の百行も
どんな役者の名台詞も
このひとことには
適いますまい
吾子よ おまえを抱きしめて
<わたしが生んだ!>
とつぶやく時―
世界じゅうの果物たちが
いちどきに実る
熟した豆が
いちどきにはぜる
この充実感
この幸福
- A6・160頁
- 定価(本体 1,500円+税)(2019.1.24より新価格)
- ISBN978-4-924684-95-9