おんなのことば
茨木のり子 詩
茨木のり子さんの著書「詩のこころを読む」(岩波ジュニア新書)の冒頭はこう始まります。
「いい詩には、ひとの心を解き放ってくれる力があります。
いい詩はまた、生きとし生けるものへの、いとおしみの感情をやさしく誘いだしてもくれます。」
ひとの心を解き放ってくれる、というのは、ひとにはもともとみずみずしい心があるということですし、いとおしみの感情を誘いだしてくれる、というのは、ほんとうはだれにも豊かな感受性がある、という真実を語っているのです。
編者はこの「詩のこころを読む」に導かれて詩の読者になり、詩集の編集者になりました。ぜひご一読をおすすめします。
この詞華集は、とりわけ精神の高い詩ばかりを集めました。「自分の感受性くらい」を冒頭に置き、「汲む」でしめくくるという贅沢な編集になりました。
茨木のり子さんの詩は、精神が弛緩してしまった現代の日本人を、将来救うことになる、と編者はかたく信じています。
本書『おんなのことば』は、茨木のり子の詩作のベストオブベストが収録された、童話屋刊・第一詞華集です。詩を読んでいて「ばかものよ」と叱られたことがありますか?茨木さんの詩を読むと、誰もが自分を叱り、励まし、愛したくなります。ズキンと胸にくる一言で、思わず背筋がピンとなります。
目次
自分の感受性くらい/見えない配達夫/女の子のマーチ/子供時代 娘たち/みずうみ/待つ/さくら/六月/わたしが一番きれいだったとき あほらしい唄/行動について/海を近くに/夏の声/二人の左官屋 花ゲリラ/この失敗にもかかわらず/問い(人類は)/一人は賑やか はじめての町/生きているもの・死んでいるもの/大学を出た奥さん 私のカメラ/最上川岸/知命/落ちこぼれ/聴く力/食卓に珈琲の匂い流れ おんなのことば/大男のための子守唄/友人/問い(ゆっくり考えてみなければ) 感情の痩せっぽち/十二月のうた/汲む (全35篇)
- A6・160頁
- 定価 1,650円 (本体1,500円 + 税)
- ISBN978-4-924684-78-2